『よいものをつくり、とどける』
この単純でいて、しかし極めて難しいことに、最善を尽くすために。
『知成堂』は、いま現在、世の中に必要とされているにも関わらず、まだ世の中に存在しない、良質なコンテンツを創り上げ、それを最適な形で、読者の元へ届けるまでを、一貫した体制により追求する出版社として誕生しました。
『よいものをつくる』には、膨大な作業が必要です。
そして、そのよいものが、必要とされる人々の元へ、『その心に、その手元に、届くものであるのか』、までを考えると、この『とどける』ということにも、膨大な作業が存在します。
この作業のどこかに、ほつれがあれば、どれだけ『よいものを創ろう』と思ったとしても、思っただけで終わってしまう、思ったほどのものはできない、あるいは、どうにか出来上がったとしても、届けるまでの手段がなければ、いずれにしても、創造的な価値を、世の中に生み出し、社会に還元させていくことはできず、その善き思いは残念ながら成し遂げられません。ですから、理想の実現のためには、細部にわたり、緻密に、すべてを、紡ぎ上げていく必要があるのです。
なぜ、『よいものを創りたいのか』、それは普遍的に変わらない、『読者の人生の善き糧となる』、という究極の目的に根差します。
この究極の目的を叶えるために、常に革新的な挑戦心を持ち続けます。
魂は細部に宿ります。時代に合わせ、あらゆる工夫を行い、魂が滞らず、冷えきらず、輝きを放つ栄養ある生命として生き続け、届けられるよう、現状を変革し、新たな地平線を切り拓いていくことになります。目的を叶えるためには、あらゆる形態、あらゆる形式、あらゆる届け方があるもので、そのアイデアも技術も、知的財産です。
知的財産は、ひとの創造的なアイデアを扱います。法律と科学と芸術のクロスリンクした世界に溢れ出るアイデアの数々は、人類の歴史の積み重ねを土壌とし、読者と著者の人生の努力の積み重ねの上に育まれるものです。
そうした知的財産を扱わせて頂くということは、先人への感謝があり、そうした積み重ねの背景に対して、深い理解と技術と愛情とを存分に注ぐことによって、読者に温かく栄養のあるおいしいものを提供しうることになります。
知的財産に関するコンテンツを制作する上で、いま世の中に求められていることに対する、知的財産権法に関する知見、企画、編集、調査、分析、取材、執筆、製作体制、図表、イラスト、デザイン、装丁、帯、校正、査読、校閲、印刷と製本技術、様々な媒体における表現形式、講演会、最適なテーマに対する最適な読者層に届ける手法といった、多岐に渡る様々な事柄に関して、『魂は細部に宿る』ことを自覚し、専門的知見・経験・技術を活かした一貫体制を組み上げます。
いまの世界ができあがった歴史を踏まえ、法律と科学、社会と芸術への理解に深く根ざし、『よいものをつくり、とどける』ことにより、読者と著者の架け橋、善き友となれるよう、地道に、一歩づつ、目的に向かい、歩んで参りたいと思います。
皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。
大樹七海 拝